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明るい燈火と静かな夜
− ネパールの山村に太陽光電力を −

Region: ネパール
Author: カトマンズ市ロータスエナジー社
コーディネイト支援: ピーター・リグズ
資金手当て状況: 拠出済みで進行中 予算: $4950 拠出済み部分: $2500 予定残額: $2450
提供者:千葉商科大学太田ゼミ学生一同、および東京生命科学研究所の市村武美所長
コメント:本案件は、通常はNGOがとる実施責任を民間企業が担っている点がユニークです。ロータスエナジー社の設立者は、ネパールに無公害エネルギーを提供する最善の手段は民間企業だとの判断で創業を決意したのだと言います。このような立派な指針と目標を掲げる企業とは我々も協力を惜しみません。


プロジェクトが指摘するニーズとは

ヒマラヤ地域全体にわたって幾百もの仏教僧院が山間の僻地に散在しています。地域社会の精神生活の中心であると共に、これらの僧院はヒマラヤ山村での教育機関としての役割も果たしています。しかしこれらの村々や僧院には読書のための電灯は殆どありません。通常は白灯油を使うか、木の根を松明として燃やして燈火の代用にしているのです。閉め切った室内でこの種の燃料を燃やすと、呼吸器疾患や眼病といった健康上の問題が生じます。年配の僧侶や尼僧には視力を失うケースが多いことがこれを示しています。

タングデンという場所

タングデン僧院は北西ネパールのフムラ地区にあり、自動車を乗り捨ててから山道を徒歩で25日もかかる僻地にあります。僧院と周辺の集落は海抜3700メートルの高地にあり、険しい岸壁が深い谷間にまで続いています。山間の僧院の場合にありがちなことですが、タングデン僧院には、ネパール国に対する外国からの援助や国際的な民間支援は届きません。

僧院は昔ながらの村落共同体によって維持されています。日中は野良仕事に精出し、夜になると僧院で宗教儀礼を行う、といった半農の僧侶や尼僧によって全ての僧院の運営と行事が取り仕切られています。フルタイムの僧職が維持できるゆとりは無いのですが、タングデンの人達はきわめて信仰の篤い仏教徒であり、かなりの数の者が、或場合には3年にわたる長期の勤行生活を送っています。

タングデンの住民には現金収入がありませんので、白灯油やろうそくを買う余裕を持っていません。その結果、油脂分の多い木片(しばしば針葉樹の根)を燃やして照明に使います。これを燈火としていると、かなりの油煙や煤が出るので、閉め切った狭い屋内での生活ではどうしても呼吸器疾患や肺病といった保健問題を生みがちであると同時に、森林破壊が進むという形で環境の劣化を来し、薪集めの仕事が次第に時間のかかる重労働となっています。

太陽光線エネルギー発電

太陽光発電は無公害で明るい光源としてこれらの問題を一挙に解決し、僧侶や尼僧、それに子供たちやその家族が野良で働いた後で僧院で学んだり、読経したりするために大いに役立ちます。太陽光発電による燈火システムは太陽光線を電力に変え、それが蓄電池に貯えられて夜の時間がくると、能率の高い蛍光燈の点灯に使用されます。もちろん、油煙も炎もありませんから、健康上も安全ですし、ラマ僧達は松明のように虫を殺さずにすむのを喜んでいます。

プロジェクトの実施と期待される目標の達成

タングデン僧院太陽光電化プロジェクトは、太陽エネルギーを使った電力による燈火システムをタングデン僧院本堂と、周辺の瞑想と修行のための施設に設置します。システムの設置作業はロータスエナジー社によって実施され、この会社がタングデンの半農の僧侶達にシステムの保守営繕と基礎的な修理方法をコーチし、すべての部品の品質保証を提供します。ロータスエナジー社はネパール現地法人であり、ヒマラヤ地域全体を対象として、太陽光発電設備機器の製造、設置とアフターケアーのサービスを提供しています。同社は、すでに過去にネパールの75地区の中の60地区で550台の発電システムを設置しております。

タングデンの村民達は、本プロジェクトの実施に際して、最寄りのヘリコプター着地点から徒歩で10時間の距離を機器や資材の運搬労務を提供し、システムの設置作業にも協力、ロータスエナジー社から派遣される技術者のための宿舎と食事を提供します。

本プロジェクトの目標の中には次のものが含まれます 夜の時間帯を利用する勉強、礼拝、その他の宗教儀礼に必要な家庭の照明システムを改善する。太陽光電力は健康に有害な油煙や煤などを排除し、照明用松明の木片集めに要する無駄な労働力を省き、森林破壊を防止します。長期的には、ヒマラヤ山系全体にわたって、ネパール、ブータン、インド、チベットの各国でも同じことが可能です。仏教僧院はこれらの国々のヒマラヤ地区の地域社会では大きな社会的役割を果たしており、ここでの再生産可能なエネルギーテクノロジーの効果的実用化の実績は、一般家庭でもこの種のエネルギーの妥当な利用を進めるために役立ちます。そしてそれは、ヒマラヤの繊細な自然環境を破壊せずにこの地域の住民の保健、教育、および生活一般の質的改善に役立つはずです。

予算

太陽光発電燈火システム - 20 燈 $3,000
交通費 (カトマンズからセミコットまで往復) $200
設置作業 (3日、技術者2名) $900
アフターケアーサービスとプロジェクト評価 $200
プロジェクトレポートの作成 $200
バーチュアル財団管理経費 (10%) $450
Total $4950

本プロジェクトをバーチュアル財団に紹介する労をとられたピーター・リグズ氏にここに特に感謝の意を表明します。

トマス・L・ケリー氏は、ヒマラヤ全地域および南アジアで過去20年にわたって写真家として活動されており、今回このプロジェクトに掲載する写真をご提供頂きました。同氏の妻キャロル・ダンハムは文化人類学者であり、御両名はフムラ地区のタングデンにも住まれ、地元住民とも緊密な関係を持たれれいます。現在は、御夫婦とも首都カトマンズに在住。写真集の著書に次のものがあります。

  • ヒマラヤの秘境 (The Hidden Himalayas)
  • カトマンズ (Kathmandu): 世界の端にある都市(City on the Edge of the World) - チベット (Tibet): 輪廻からの回帰の想い (Reflections from the Wheel of Life)
All published by Abbeville Press, New York, NY, USA.


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